自己破産の費用の目安はいくら?払えない時の5つの対処法を徹底解説

自己破産を弁護士に依頼する場合の費用は、同時廃止か管財事件かを問わず、一般的に弁護士費用として数十万円程度がかかります。しかし、手元にまとまったお金がない場合でも、分割払いに対応してくれる弁護士に依頼したり、法テラスを利用するするなどして、弁護士に依頼する方法もあります。

「借金で苦しんでいるのに、自己破産にもお金がかかるなんて…」と絶望的な気持ちになっていませんか?多くの人が同じ悩みを抱えていますが、実は費用の問題で自己破産を諦める必要はありません。

この記事では、自己破産にかかる具体的な費用の内訳と、お金がない時でも利用できる5つの対処方法について、専門的かつ分かりやすく解説します。読み終わる頃には、費用への不安が解消され、次の一歩を踏み出せるはずです。

自己破産の費用の目安はいくら?手続き別の総額を解説

自己破産には3つの手続きがあり費用が変わる場合がある

自己破産の費用を理解する上で最も重要なのは、3つの手続きによって費用が大きく異なるという点です。どの手続きになるかは、あなたの財産状況や借金の理由によって裁判所が判断します。

まず「同時廃止事件」は、20万円以上の財産がなく、借金の理由にも問題がない場合の手続きです。最もシンプルで費用も安く、日本弁護士連合会の「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査(https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/publication/pamphlet/2023_hasan_kojinsaisei.pdf)」によれば、破産事件全体の66.91%がこの手続きに該当しました。次に「管財事件」は、一定以上の財産がある場合や、ギャンブルなど借金の理由に問題がある場合の手続きです。破産管財人という弁護士が財産の調査を行うため、費用が高額になります。

最後に「少額管財事件」は、弁護士に依頼した場合のみ利用できる簡易版の管財事件です。通常の管財事件より予納金が大幅に安くなるため、費用を抑えられる可能性があります。

手続き別の費用の目安と内訳

実際の費用の目安を見てみましょう。裁判所に支払う費用と弁護士費用を合わせた総額の目安は以下の通りです。

手続きの種類費用総額裁判所費用弁護士費用 
同時廃止事件約43万円~約73万円約3万円約40万円~約70万円
少額管財事件約63万円~約113万円以上約23万円~約40万円~約90万円
通常管財事件約100万円~約150万円以上約50万円~約50万円~約100万円以上

裁判所費用の内訳は、申立手数料(1,500円)、予納郵券(3,000~15,000円)、官報公告費(約1.2万円)があります。管財事件の場合はこれに加えて、破産管財人への報酬となる予納金が必要です。この予納金が、少額管財で最低20万円、通常管財で最低50万円と高額になるため、総費用に大きく影響します。

弁護士費用は事務所によって異なりますが、債務整理の依頼の場合、分割払いに対応する法律事務所もあります。

あなたの場合はどの手続きになる?判断の目安

自分がどの手続きになるか、ある程度の目安を知っておくことは重要です。以下のチェックポイントを確認してみてください。

同時廃止になる可能性が高いケースは、預貯金が20万円未満、車や不動産などの財産がない、借金の理由が生活費や医療費など、という条件を満たす場合です。一方、管財事件になる可能性が高いケースは、20万円以上の預貯金や財産がある、ギャンブルや浪費で借金を作った、個人事業主や会社経営者である、という場合です。

ただし、最終的な判断は裁判所が行います。弁護士に相談すれば、過去の経験から高い精度で予測してもらえるので、まずは無料相談を活用して確認することをおすすめします。

自己破産費用が払えない時の5つの対処法

1. 弁護士費用の分割払いを利用する

最も現実的で多くの人が利用している方法が、弁護士費用の分割払いです。これは単なる支払い方法の選択ではなく、債務整理の仕組みを活用した賢い方法といえます。

弁護士に正式に依頼すると、弁護士から「受任通知」が債権者に送られ、債権者の督促がストップするので、これまで債権者への返済に回していたお金を弁護士費用の積立に充てることが可能になります。例えば毎月8万円を返済していた場合、その8万円を弁護士費用の積立に回せるようになります。月数万円程度の分割払いに対応してくれる法律事務所もあり、依頼者の収入状況に応じて柔軟に調整してくれる可能性があります。

重要なのは、申立てまでに費用を積み立てる期間があるという点です。この期間を利用すれば、まとまったお金がなくても計画的に費用を準備できます。事務所によっては相談料0円で、全額を分割払いで対応してくれるところもあります。

2. 法テラスの立替制度を活用する

収入が少ない方は、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。これは国が設立した制度で、弁護士費用と裁判所費用を法テラスが一時的に立て替えてくれます。

立て替えてもらった費用は、手続き終了後に月5,000~10,000円の分割で返済していきます。

特に注目すべきは、生活保護受給者の場合です。生活保護を受給している方が法テラスを利用すると、手続き終了後も生活保護を受給していれば返済が免除される可能性があります。実質的に費用負担なく自己破産できるため、該当する方は必ず検討すべき制度です。

3. 司法書士に依頼して費用を抑える

弁護士に依頼するよりも司法書士に依頼する方が費用が安い場合には、司法書士への依頼も選択肢の一つです。

ただし、重要な制限があります。司法書士は書類作成の代行はできても、裁判所での代理人にはなれません。裁判官との面談には自分で出席する必要があり、質問にも自分で答えなければなりません。また、少額管財制度は弁護士依頼が前提のため利用できず、管財事件になった場合は高額な予納金を支払うことになります。

少しでも管財事件になる可能性がある場合は、最初から弁護士に依頼した方が結果的に安く済む可能性が高いです。

4. 親族からの援助を受ける際の注意点

どうしても費用が工面できない場合、親族に援助を求めることも検討できます。しかし、これには守るべき重要なルールがあります。

援助を受ける際は、必ず「贈与」という形にしてもらう必要があります。「借金」として受け取り、その親族にだけ返済するような場合、偏頗弁済(へんぱべんさい)という禁止行為に該当する恐れがあります。特定の債権者だけに返済することは自己破産では固く禁じられており、最悪の場合、免責が認められなくなります。

援助を受ける場合は、贈与であることを明確にし、できれば書面に残しておくことをおすすめします。また、援助額は必要最小限に留めることも大切です。過度な援助は、裁判所から不自然に思われる可能性があります。

5. 他の債務整理方法を検討する

債務整理をしたいけれども何らかの事情で自己破産の手続きをとることを躊躇している場合、任意整理や個人再生という選択肢も検討する価値があります。これらの手続きは、借金を返済免除でゼロ

にはできませんが、費用や手続きの負担が異なります。

任意整理は裁判所を通さない手続きで、1社あたり5万円程度と費用が安いのが特徴です(※費用は事務所や事案により異なります)。将来利息や遅延損害金をカットし、3~5年で元金を返済していきます。返済総額が比較的少なく、安定収入がある方に適しています。個人再生は金額によっては借金を5分の1程度に減額する手続きで、費用は50~80万円程度です。住宅ローン特則を使えば自宅を残したまま借金を減らせるのが最大のメリットです。

どの手続きが最適かは、借金額、収入、財産状況によって異なります。弁護士の無料相談では、全ての選択肢を比較検討してもらえるので、まずは相談してみることが重要です。

自己破産費用を安く抑える3つのコツ

弁護士に依頼して少額管財を利用する

破産手続きを取りたい場合、弁護士に依頼すれば費用を大幅に節約できる可能性があります。その理由は「少額管財事件」という制度を利用できるからです。

通常の管財事件では最低50万円の予納金が必要ですが、少額管財なら予納金は20万円程度で済みます。この30万円の差は非常に大きく、弁護士費用を考慮しても総額では安くなるケースがほとんどです。少額管財は、弁護士が事前に財産調査や書類作成を丁寧に行うことで、破産管財人の負担を軽減できることが前提となっています。

特に重要なのは、代理人の弁護士をつけずに本人で申し立てると通常管財になる可能性が高いという点です。裁判所は慎重を期すため、法律の専門家のチェックがない案件は厳格に審査する傾向があります。結果的に高額な費用がかかるだけでなく、手続き期間も長期化します。

債務整理に特化した事務所を選ぶ

弁護士事務所を選ぶ際は、債務整理を専門的に扱っている事務所を選ぶことで、費用面でもサービス面でもメリットがあります。

債務整理特化型の事務所は、大量の案件を効率的に処理することで、一般的な事務所より費用を抑えていることがあります。また、分割払いの柔軟な対応など、依頼者の経済状況に配慮した料金体系を用意しています。さらに、豊富な実績から裁判所の運用を熟知しており、スムーズな手続きが期待できます。

事務所選びのポイントは、初回相談時に総額の見積もりを明確に提示してくれるかです。「追加費用が発生する可能性がある」など曖昧な説明をする事務所は避け、料金体系が透明な事務所を選びましょう。複数の事務所で無料相談を受け、費用とサービスを比較することをおすすめします。

早めの相談で追加費用を防ぐ

自己破産の費用を抑える最も確実な方法は、問題が深刻化する前に早めに相談することです。借金問題を放置すればするほど、利息や遅延損害金で借金額が膨らみ、手続きも複雑になります。

例えば、督促を無視し続けて訴訟を起こされた場合、給与や預金の差押えを受ける可能性があります。差押えを受けてからの自己破産は手続きが複雑になり、追加の手続き費用が発生することもあります。また、借金返済のために新たな借金をしてしまうと、「詐欺的借入」とみなされ、免責が認められないリスクも高まります。

早期に相談すれば、自己破産以外の選択肢も検討できる余地があります。任意整理で解決できれば費用は大幅に安くなりますし、個人再生なら自宅を残せる可能性もあります。「まだ大丈夫」と思っているうちに、法律の専門家の意見を聞いておくことが、結果的に最も経済的な解決につながります。

自己破産の手続きの流れと費用を払うタイミング

相談から免責確定まで

手続きの基本的な流れは、まず弁護士との無料相談から始まります。相談で方針が決まれば正式に依頼し、弁護士が債権者に受任通知を送付します。この時点で督促と返済がストップするため、精神的な余裕が生まれます。その後、必要書類を集めながら費用を積み立て、準備が整ったら裁判所に申立てを行います。

申立て後は、裁判官との面談(破産審尋)を経て、破産手続開始決定が出されます。同時廃止の場合はそのまま免責審尋へ進み、問題なければ免責許可決定が出されます。免責許可決定が官報に公告された日の翌日から2週間の即時抗告期間が経過し、その間に不服申立てがなければ免責が確定し、法的に借金の返済が免除になります。

費用を支払う3つのタイミング

自己破産の費用は、一度に全額を支払う必要はありません。段階的に支払うタイミングが3つあることを理解しておきましょう。

1つ目は、弁護士への依頼から申立てまでの期間です。受任通知で返済がストップした後、毎月の返済に充てていたお金を、一定期間積み立てていきます。この積立金が弁護士費用と裁判所費用に充てられます。多くの事務所では、積立が完了してから申立てを行うため、無理のない計画を立てることが重要です。

2つ目は、裁判所への申立て時です。申立手数料(1,500円)と予納郵券(3,000~15,000円程度)を、弁護士を通じて裁判所に納付します。これらは積立金から支払われることが一般的です。

3つ目は、管財事件の場合の予納金です。破産手続開始決定後、裁判所の指定する期限までに20万円~50万円を納付します。一部の裁判所では分割払いも認められていますが、原則は一括払いです。この予納金も、事前の積立で準備しておくことが可能です。

支払いが遅れた場合のリスクと対処法

費用の支払いが計画通りに進まないこともあります。そんな時に最も重要なのは、弁護士に早めに相談することです。黙って支払いを滞らせると、手続きが進められなくなるリスクがあります。

弁護士費用の積立が遅れた場合、積立期間の延長や、月々の金額の見直しに応じてくれる法律事務所もあります。ただし、あまりに期間が長くなると債権者から訴訟を起こされるリスクが高まるため、6ヶ月を目安に積立を完了させることが理想的です。

裁判所への予納金が準備できない場合は、より深刻な問題となります。期限までに納付できないと、破産手続きが廃止(中止)される可能性があります。このような事態を避けるため、管財事件になる可能性がある場合は、事前に十分な積立期間を設けることが重要です。弁護士と相談しながら、無理のない支払い計画を立てましょう。

よくある質問

自己破産の費用は分割払いできますか?

はい、分割払いが可能な法律事務所もあります。弁護士に依頼して債権者に受任通知を送ってもらうと、債権者からの督促がストップするので、これまで返済に回していたお金を弁護士費用の積立に充てることが可能になります。

月数万円程度の分割払いに対応してくれる法律事務所もあり、依頼者の収入状況に応じて柔軟に調整してくれます。相談料0円で全額を分割払いできる事務所も増えています。積立期間中に弁護士が申立書類の準備を進めます。支払いが難しい場合は、法テラスの立替制度も利用できるため、まずは無料相談で支払い方法を確認することをおすすめします。

生活保護を受けていても自己破産できますか?

生活保護受給者でも自己破産は可能で、むしろ費用面で有利な制度があります。法テラスの民事法律扶助制度を利用すれば、費用の立替を受けられます。

最大のメリットは、手続き終了後も生活保護を受給していれば、立て替えてもらった費用の返済が免除される可能性があることです。つまり、実質的に費用負担なく自己破産できる場合があります。ただし、生活保護費から借金を返済することは禁止されているため、自己破産は借金問題を解決する有効な手段となります。手続きを始める前に、必ず担当のケースワーカーに相談し、法テラスの利用について確認しましょう。

2回目の自己破産は費用が高くなりますか?

直接的に費用が高くなるわけではありませんが、管財事件になる可能性があるため、結果的に高額になる傾向があります。前回の免責から7年以内の場合は特に注意が必要です。

2回目の自己破産は免責不許可事由に該当するため、裁判所の審査が非常に厳しくなります。そのため、ほぼ確実に管財事件として扱われ、最低でも20万円の予納金が必要になります。また、弁護士も慎重に対応する必要があるため、弁護士費用も高めに設定されることがあります。ただし、やむを得ない事情があれば2回目でも免責は認められるため、諦めずに法律の専門家に相談することが大切です。事情を詳しく説明し、最適な方法を検討してもらいましょう。

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  • POINT 1

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  • POINT 2

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    書類や文書の整理

    相談には契約書や領収書、メモなど関係しそうな資料をできるだけ整理しましょう。自分では些細に思えても、弁護士にとっては大切な手がかりになることがあります。

  • POINT 3

    時系列を整理している様子

    時系列の確認

    問題の流れを日付順に整理してメモしておくと、弁護士が状況を理解しやすくなります。細かく書く必要はなく、大まかな出来事を箇条書きにするだけで十分です。

  • POINT 4

    考えている様子

    お考えの整理

    相談をスムーズに進めるために、「自分はどうしたいのか」を整理しておきましょう。望む結果が明確だと、弁護士もそれに合わせて具体的なアドバイスがしやすくなります。