自己破産の流れをわかりやすく解説!期間・費用・必要書類を完全ガイド

自己破産の流れは、弁護士への相談から始まり、裁判所への申立て、破産手続開始決定を経て、最終的に免責許可決定の確定まで全8ステップで半年〜1年かかります。弁護士費用は、同時廃止か管財事件かを問わず、一般的に数十万円程度がかかります。手続き中は新たな借入れや財産隠しは厳禁で、正直な申告が免責獲得の鍵となります。

自己破産の流れは何ステップですか?全体像と期間を解説

相談から免責確定まで8つのステップ

自己破産の手続きは複雑に思えますが、実は明確な流れがあります。弁護士への相談から借金が返済免除になる免責確定まで、具体的には8つのステップで進んでいきます。

まず最初の3ステップは準備段階です。弁護士への相談・依頼(ステップ1)、受任通知の送付で取り立てが止まり(ステップ2)、必要書類の準備・作成を行います(ステップ3)。この準備期間は通常2〜3ヶ月程度かかりますが、受任通知により債権者からの督促が止まるため、精神的な負担は大きく軽減されます。

次に裁判所での手続きが始まります。管轄の地方裁判所への申立て(ステップ4)、裁判官との面接である破産審尋(ステップ5)を経て、破産手続開始決定が下されます(ステップ6)。ここまでで申立てから約1ヶ月です。その後、同時廃止か管財事件かの分岐(ステップ7)を経て、最終的に免責許可決定・確定(ステップ8)に至ります。

同時廃止と管財事件の違いと判断基準

自己破産には大きく分けて「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があり、どちらになるかで手続きの期間と費用が大きく変わります。この判断は裁判所が行いますが、最終的には裁判所の判断によります。

同時廃止事件は、申立人に20万円以上の価値がある財産がなく、借金の理由にも問題がない場合に適用される簡易な手続きです。日本弁護士連合会の「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査(https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/publication/pamphlet/2023_hasan_kojinsaisei.pdf)」によれば、破産事件全体の66.91%がこの手続きに該当し、破産手続開始決定と同時に手続きが廃止(終了)となるため、迅速に免責審査に進めます。裁判所での手続き期間は約3〜4ヶ月と短く、費用も抑えられます。

一方、管財事件は20万円以上の財産がある場合や、ギャンブル・浪費など借金の原因に調査が必要な場合に適用されます。裁判所が選任した破産管財人が財産の調査・処分を行うため、手続き期間は6ヶ月〜1年以上と長くなります。ただし、弁護士が代理人の場合は「少額管財」という簡略化された手続きを利用でき、予納金を50万円から20万円程度に抑えることが可能です。

各ステップの具体的な期間と費用

自己破産にかかる総期間は同時廃止で4〜6ヶ月、管財事件で8ヶ月〜1年半が一般的な目安です。この期間の内訳と、各段階でかかる費用を具体的に見ていきましょう。

手続きの種類書類準備期間裁判所手続き期間総期間費用総額 
同時廃止事件2〜3ヶ月3〜4ヶ月約6ヶ月約43万円~約73万円
管財事件(少額管財)2〜3ヶ月6ヶ月〜1年8ヶ月〜1年半約63万円~約113万円以上

費用の内訳は、弁護士費用と裁判所費用の2つに分かれます。弁護士費用は同時廃止で約40万円~約70万円、管財事件で約40万円~約90万円が目安です。裁判所費用は同時廃止なら1.5〜3万円程度ですが、管財事件では破産管財人への報酬として20万円(少額管財)〜50万円以上の予納金が必要になります。

期間については、弁護士費用を分割払いする場合、その支払い期間分だけ申立てが遅れることもあります。しかし弁護士に依頼して債権者に受任通知を送ってもらうと、債権者からの督促がストップするので、これまで返済に回していたお金を弁護士費用の積立に充てることが可能になります。

自己破産手続きで必要な書類と準備は何ですか?

弁護士への相談時に持参すべき書類

自己破産を検討し始めたら、まず弁護士への相談が第一歩となります。初回相談を有効に活用するためには、現在の借金と財産の状況がわかる書類を持参することが重要です。

相談時に必要な基本的な書類は、借入先一覧(債権者リスト)、借用書や契約書、督促状、給与明細(直近2〜3ヶ月分)、預金通帳のコピー(過去1年分)です。これらの書類があれば、弁護士はあなたの状況を正確に把握し、同時廃止になるか管財事件になるか、費用や期間はどの程度かといった具体的な見通しを立てることができます。

すべての書類が揃っていなくても相談は可能です。特に督促状や契約書を紛失している場合でも、弁護士が受任後に債権者へ取引履歴の開示請求を行うことで情報を取得できます。重要なのは、現状を隠さず正直に伝えることです。弁護士には守秘義務があり、あなたの味方として最善の解決策を一緒に考えてくれます。

裁判所への提出書類と集め方

裁判所への申立てには、多くの公的書類と財産関係の証明書が必要です。これらの書類は申立ての2〜3ヶ月前から計画的に集める必要があります。

まず公的書類として、住民票(世帯全員分)、戸籍謄本、所得証明書、源泉徴収票(過去2年分)、課税証明書が必要です。これらは市区町村役場や勤務先で取得できます。次に財産関係の書類として、不動産登記簿謄本(不動産がある場合)、車検証(車を所有している場合)、保険証券と解約返戻金証明書、退職金見込額証明書などが必要です。

書類収集で特に注意が必要なのは預金通帳のコピーです。過去2年分の全ての口座の取引履歴が必要で、記帳漏れがあると裁判所から追加提出を求められます。また、家計収支表という毎月の収入と支出を記録した書類も2ヶ月分作成する必要があります。弁護士が作成をサポートしてくれますが、レシートの保管など日頃からの準備が大切です。

書類準備で失敗しないための3つのポイント

自己破産の書類準備で失敗すると、手続きが長期化したり、最悪の場合免責が認められない可能性があります。成功のカギは以下の3つのポイントを押さえることです。

第一に、すべての財産を正直に申告することです。たとえ少額でも、ネット銀行の口座、仮想通貨、積立型の保険など、すべての財産を漏れなく申告しましょう。隠し財産が発覚すると免責不許可事由に該当し、借金の返済が免除されなくなります。弁護士には守秘義務があるため、恥ずかしがらずにすべてを伝えることが大切です。

第二に、書類の有効期限に注意することです。住民票や印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが必要です。早く取得しすぎると再取得が必要になり、二度手間になってしまいます。弁護士と相談しながら、申立て予定日から逆算して計画的に取得しましょう。

第三に、家計収支表を正確に記録することです。これは現在の生活状況を裁判所に示す重要な書類です。収入と支出をごまかさず、レシートをきちんと保管し、正確に記録しましょう。特に管財事件になりそうな場合、破産管財人が詳しくチェックするため、適当な記載は後々問題となります。

自己破産の手続き中にやってはいけないことは?

免責不許可になる危険な行為

自己破産手続き中の行動次第では、借金の返済が免除されない「免責不許可」という最悪の結果を招く可能性があります。特に注意すべき危険な行為を具体的に解説します。

最も重大なのは財産隠しです。預金を他人名義の口座に移したり、不動産の名義を変更したり、高額な財産を隠したりする行為は、破産詐欺罪に問われる可能性もある重大な違法行為です。破産管財人は過去2年分の通帳履歴を詳細にチェックするため、不自然な資金移動は必ず発覚します。

次に危険なのが偏頗弁済(へんぱべんさい)です。これは特定の債権者だけに優先的に返済する行為で、たとえ相手が親族や友人であっても許されません。すべての債権者を平等に扱うという破産法の原則に反するため、免責不許可事由となります。また、手続き中のギャンブルや浪費、虚偽の説明も免責不許可事由に該当します。裁判所や破産管財人にはすべて正直に申告することが、免責を得るための条件です。

新たな借入れやクレジットカード利用の禁止

弁護士に自己破産を依頼した後は、新たな借入れやクレジットカードの利用は禁止です。この禁止事項を破ると、免責が認められなくなる可能性が極めて高くなります。

生活費に困っても、消費者金融から借りたり、クレジットカードでキャッシングしたりしてはいけません。特に危険なのがクレジットカードの現金化です。ショッピング枠で商品を購入し、それをすぐに転売して現金を得る行為は、詐欺的行為とみなされ、免責不許可だけでなく刑事責任を問われる可能性もあります。

また、既存のクレジットカードも使用を停止する必要があります。公共料金や携帯電話料金の引き落としにクレジットカードを使っている場合は、すぐに口座振替や振込みに変更しましょう。ETCカードも同様に使用を停止し、現金精算に切り替える必要があります。手続き中は現金のみでの生活を徹底することが、確実に免責を得るための重要なルールです。

保証人への影響と事前対応

自己破産で見落としがちな重要な問題が保証人への影響です。あなたが自己破産をしても、保証人の返済義務は消えません。むしろ債権者は保証人に対して、残債務の一括返済を請求することになります。

保証人がいる借金がある場合、保証人がいることと保証人の連絡先を必ず弁護士に伝えなければなりません。

住宅ローンや奨学金、自動車ローンなどで親族が保証人になっている場合、その旨と保証人の連絡先を弁護士に伝えましょう。保証人も返済が困難な場合は、保証人自身も任意整理や個人再生などの債務整理を検討することになります。

よくある質問

自己破産すると家族や会社にバレますか?

自己破産が家族に知られる可能性は状況によって異なりますが、会社に知られる可能性は極めて低いです。まず家族については、同居している場合は書類準備の段階で気づかれる可能性があります。世帯全員の住民票や配偶者の収入証明書が必要になるためです。しかし別居している家族には、自分から話さない限り知られる可能性は低いです。

会社については、自己破産を理由に解雇することは労働基準法で禁止されており、会社に直接通知が行くこともありません。給与の差し押さえを受けていた場合はそれが解除されるため気づかれる可能性がありますが、通常の自己破産では会社に知られることはほぼないと考えて問題ありません。官報に氏名と住所が掲載されますが、一般の人が官報を見ることはまずないため、ここから知られる心配も不要です。

手続き中は仕事を続けられますか?

ほとんどの職業では、自己破産手続き中も問題なく仕事を続けられます。ただし、一部の資格や職業については、破産手続開始決定から免責確定までの期間、一時的に制限を受けます。

制限を受ける主な職業は、弁護士、税理士、公認会計士などの士業、警備員、生命保険募集人、宅地建物取引士などです。これらの職業に就いている場合は、手続き期間中は業務ができなくなります。ただし、免責が確定すれば制限は解除され、再び資格を使った仕事ができるようになります。

一般的な会社員、公務員、医師、看護師、教員などは制限を受けません。また、管財事件の場合は居住地を離れる旅行・出張には裁判所の許可が必要であり、通常、2泊以上の外泊を伴う旅行・出張や海外旅行などがこれに当たりますが、仕事のための出張であれば通常問題なく許可されます。職業制限に該当するか不安な場合は、弁護士に相談すれば具体的なアドバイスがもらえます。

費用が払えない場合はどうすればいいですか?

自己破産の費用が払えなくても、諦める必要はありません。主に2つの方法で費用問題を解決できます。

まず、弁護士費用の分割払いに対応している法律事務所があるので、それを利用する方法です。弁護士に依頼して受任通知を送付すると、債権者からの督促がストップするので、これまで返済に回していたお金を弁護士費用の積立に充てることが可能になります。

分割払いに対応し、無理のない支払いプランを組んでくれる法律事務所もあります。

もう一つは法テラスの民事法律扶助制度の利用です。収入が一定基準以下であれば、弁護士費用と裁判所費用を法テラスが立て替えてくれます。手続き終了後、月5,000円〜10,000円程度の無理のない金額で分割返済していけばよいため、経済的負担を大幅に軽減できます。まずは無料相談を利用して、自分に合った支払い方法を相談してみましょう。

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初めてのご相談に
不安がある方へ

弁護士、専門家へのご相談のご経験があるかはそこまで多くないと思います。ちょっとしたポイントを抑えていただくだけで、ご自身のお悩みの解決方法が見つかりやすいことがあります。ご不安を感じられる方はぜひ、このポイントを抑えたうえでご相談ください。

  • POINT 1

    相談をオンラインでしている様子

    早めのご相談

    「まだ大丈夫」と思っていても、早めに相談することで安心につながります。弁護士は身近な相談相手として、問題が大きくなる前の解決をサポートしてくれます。

  • POINT 2

    書類のイメージ

    書類や文書の整理

    相談には契約書や領収書、メモなど関係しそうな資料をできるだけ整理しましょう。自分では些細に思えても、弁護士にとっては大切な手がかりになることがあります。

  • POINT 3

    時系列を整理している様子

    時系列の確認

    問題の流れを日付順に整理してメモしておくと、弁護士が状況を理解しやすくなります。細かく書く必要はなく、大まかな出来事を箇条書きにするだけで十分です。

  • POINT 4

    考えている様子

    お考えの整理

    相談をスムーズに進めるために、「自分はどうしたいのか」を整理しておきましょう。望む結果が明確だと、弁護士もそれに合わせて具体的なアドバイスがしやすくなります。